新型コロナウィルスが広がり観光ビジネスが打撃を受ける中でも新しいスタイルが芽生えています。静岡市の中心街呉服町と鷹匠に高級ホテルが生まれました。ビルに泊まる。「ビル泊(ぱく)」と呼びます。
記者「静岡駅から地下街を歩いて来ました。ここにホテルのフロントがあります」
ビル泊 望月真さん「宿泊客が最初に立ち寄るところで、チェックイン手続きをする」
ではホテルの部屋はどこでしょうか?荷物を運んでもらうとまずはエレベータに乗り紺屋町の商店街に出ます。めざすのはビルの四階です。このビルの中で空いていた空間が目指すホテルの部屋です。
ホテルスタッフ「こちらは一番大きい部屋で99平方メートルあります(Q.30坪、マンションくらいですね。間取りは?)こちらはリビングルーム、あちらはベッドルームで全部で6名様が泊まれます」
買い物をしているだけでは見ることができない空間が広がっていました。
ビル泊 望月真さん「こちらでは非日常の過ごし方をしていただきたい。グループやカップル、色々なお客さまに来ていただきたい」
JR静岡駅に近い紺屋町、呉服町、鷹匠の四つのビルにあった空きスペースが7つのホテルルームに変わりました。
呉服町、静岡伊勢丹の先のビルにもビル泊の部屋があります。ここには二つの部屋がありつなげて大きなスイートルームにすることができます。
北街道沿い鷹匠にあるホテルは元新聞店です。ここはビル一棟がホテルになりました。4人から7人まで泊まれるスイートルームが7つあり一泊4万円から8万円です。
ビル泊を始めたのは静岡市の用宗海岸を国際的な観光地にしたいと古民家を改装してホテルに変えている不動産会社です。
CSA不動産・トラベル 小島孝仁社長「静岡の魅力は町と海と山、日本の原風景」
街中では50年以上前の建物の個性を生かしながら、静岡の魅力を伝える部屋に仕上げました。壁には模型の町・静岡を代表するプラモデルのオブジェが飾られています。静岡の文化や職人の技を楽しんでもらうための場所です。清水区の布団づくりの名人が作った座布団も使われています。
黄綬褒章・新貝ふとん店 新貝晃一郎さん「静岡の地場産品の生地の遠州綿紬を使った、角の先まで綿が入っているつくりをしている。静岡にはこんなものがある」
紺屋町は宿場から発展した町。歴史が戻って来たようだと商店街の人たちは喜んでいます。
静岡紺屋町名店街 服部功理事長「空いているところを利用するのは、商店街が直面している課題の一つ。ここで事業をやることを良く決心してくれた」
新型コロナウィルスの影響が広がる中、先週ホテルはオープンしました。こんな時期だからこそ将来を見つめています。
小島社長「ビル泊に向く物件をコンセプトを考えてつくっていきたい」